日本最大の歓楽街―――新宿・歌舞伎町。
2001年に死者44人を出した明星ビル火災の放火犯を捕まえられなかったことから、翌年警視庁は2億円の予算を投じて50台の防犯カメラを歌舞伎町のいたるところに設置しました。
その2年後、石原都知事が掲げた「東京の犯罪を一挙に減らす」という公約を実現すべく、歌舞伎町の浄化作戦を始めます。
今回は、歌舞伎町浄化作戦でどんなことが行われたのか。そして、この政策の結果、歌舞伎町はどんな街になったのか。当時を知る人の言葉、そして性風俗店にどんな影響があったのかをまとめます。
〇歌舞伎町浄化作戦で店舗型風俗店は軒なみ閉業
2003年、当時の都知事・石原慎太郎東京都都知事が宣言した「歌舞伎町浄化作戦」。2005年まで400人以上が逮捕・書類送検され、風俗店や接客を伴う飲食店、あわせて300軒近くの店が摘発されました。
浄化作戦以前の性産業は『店舗型』が主流で、男性たちは『実際に店舗に行き、サービスを受ける』というのが当たり前でした。しかし、ほとんどの店舗が、公安委員会へ届出をしておらず、これが摘発対象となったのです。
当時、店舗型風俗店を取り締まっていた警察当局のやり方は、非常におそろしいものだったといいます。
怒声を発して歩き回り、店の備品を破壊し、恐怖をうえつけたうえで、キャストの女の子と服を着ていない男性客にプレイを再現させ、採証作業として写真を撮ることもありました。歌舞伎町中の風俗店が震えあがり、自主的に閉業したお店も。
風俗店だけではなく、違法カジノや個室マッサージ店、大人のビデオ店など多くの店が廃業に追い込まれました。暴力団関係者も数百人単位で逮捕・起訴され、不法滞在の外国人は1000人以上摘発される大掛かりな取り締まりでした。そして、この浄化作戦は歌舞伎町だけではなく、池袋、渋谷など、都内のあちこちで行われました。
これにより、街中にはびこっていた卑猥な看板はなくなり、東京はきれいになったように思われました。
しかし、性産業に関して言えば『店舗型から派遣型に変わった』だけだったのです。
浄化作戦以前の性産業は『店舗型』が主流で、男性たちは『実際に店舗に行き、サービスを受ける』というのが当たり前でした。しかし、ほとんどの店舗が、公安委員会へ届出をしておらず、これが摘発対象となったのです。
当時、店舗型風俗店を取り締まっていた警察当局のやり方は、非常におそろしいものだったといいます。
怒声を発して歩き回り、店の備品を破壊し、恐怖をうえつけたうえで、キャストの女の子と服を着ていない男性客にプレイを再現させ、採証作業として写真を撮ることもありました。歌舞伎町中の風俗店が震えあがり、自主的に閉業したお店も。
風俗店だけではなく、違法カジノや個室マッサージ店、大人のビデオ店など多くの店が廃業に追い込まれました。暴力団関係者も数百人単位で逮捕・起訴され、不法滞在の外国人は1000人以上摘発される大掛かりな取り締まりでした。そして、この浄化作戦は歌舞伎町だけではなく、池袋、渋谷など、都内のあちこちで行われました。
これにより、街中にはびこっていた卑猥な看板はなくなり、東京はきれいになったように思われました。
しかし、性産業に関して言えば『店舗型から派遣型に変わった』だけだったのです。
〇『欲望』のはけ口を求めて
浄化作戦前、東京では新たに店舗型風俗店の認可を受けることが事実上不可能でしたが、派遣型であれば届出さえすれば営業許可がおりたので、皆派遣型へ姿を変えました。
しかし、非店舗型は、現場がホテルや客の自宅など、スタッフの目の届かないところなので、トラブルも急増しています。女の子への違法薬物の強要、盗撮、本番強要など。女の子たちの中には「店も直も変わらない」と思う子も増えており、大久保公園の周りに立つ『立ちんぼ』が新たな社会問題となっています。
どんなに浄化と称して摘発しても、また形を変えて問題が浮上する―――それは、男性たちの性欲まで消し去ることはできないからです。そして、お金を得たい女性は稼げる場所に集まります。
表面上見えないように、摘発すれば摘発するほど、性風俗店は「警察にわからないように」「見つからないように」と水面下でサービスが行うしかなくなり、働く女の子の危険度は増していくのです……。
しかし、非店舗型は、現場がホテルや客の自宅など、スタッフの目の届かないところなので、トラブルも急増しています。女の子への違法薬物の強要、盗撮、本番強要など。女の子たちの中には「店も直も変わらない」と思う子も増えており、大久保公園の周りに立つ『立ちんぼ』が新たな社会問題となっています。
どんなに浄化と称して摘発しても、また形を変えて問題が浮上する―――それは、男性たちの性欲まで消し去ることはできないからです。そして、お金を得たい女性は稼げる場所に集まります。
表面上見えないように、摘発すれば摘発するほど、性風俗店は「警察にわからないように」「見つからないように」と水面下でサービスが行うしかなくなり、働く女の子の危険度は増していくのです……。
〇さいごに
歌舞伎町浄化作戦以降もアダルト市場の規模はいまだ、巨大市場です。市場規模は年々拡大しており、アダルト市場は2016年の時点で46兆9763億円という調査報告が出ています。
現在、街中からエロはなくなりつつありますが、スマホのアプリではアダルト広告をいやというほど見ます。子供たちのiPadにアダルト広告が表示されて困る、というのは社会問題になっています。
今年5月に茅ケ崎市立小学校で6年生男児数人が2年生の女子の下半身を複数回触ったという事件もありました。エロは抑圧すれば抑圧するほど、形を変えて、思わぬ結果を生み出す……。今後、浄化作戦が行われるとしたら……。さらなる犯罪が生まれないことを願います。
現在、街中からエロはなくなりつつありますが、スマホのアプリではアダルト広告をいやというほど見ます。子供たちのiPadにアダルト広告が表示されて困る、というのは社会問題になっています。
今年5月に茅ケ崎市立小学校で6年生男児数人が2年生の女子の下半身を複数回触ったという事件もありました。エロは抑圧すれば抑圧するほど、形を変えて、思わぬ結果を生み出す……。今後、浄化作戦が行われるとしたら……。さらなる犯罪が生まれないことを願います。