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人妻援護会コラム

2025

04.05

Sat

日刊デリヘル経営・援護会コラム『江戸の風俗 べらぼう〜見受けとは?』
2025年1月から始まったNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(つたじゅうえいがのゆめばなし)。
江戸時代を舞台に、今も語り継がれる天才浮世絵師や作家の才能を見出し、世に送り出した出版人「蔦屋重三郎」(つたやじゅうざぶろう)の波乱万丈な人生を描いています。

今回は、ドラマ『べらぼう』の舞台でもある吉原にちなみ、江戸の男が「この人しかいない!」と惚れこんだ末に試みた、彼女たちを見受けする方法をご紹介します。
見受けは男たちの『本気の恋の最終形』。ただ大金を積めばいいというものでもなく、そこには涙あり、事件あり、時には命がけのドラマが待ち受けていました。
〇見受けとは?
簡単に言えば、見受けとは、惚れこんだ女性を遊郭から“買い取る”制度のこと。現代でいえば、結婚に近い……というより、「一括払いのプロポーズ」と言ったほうがしっくりきます。
しかし、お金があれば誰でも見受けできるというわけではなく、遊女本人の意思や店との交渉も必要でした。高級遊女ともなると、見受け金は数百両(現代の数千万円~数億円)にも上り、大名や豪商レベルでないと手が出せない高嶺の花でした。
〇 見受けに必要なもの

見受けのためには、以下の3つが必要でした。

① まとまったお金

見受け金は 最低でも100両(現代の1,500万円相当) からスタート。
高級遊女ともなれば 1,000両(約1億5,000万円) を超えることもありました。下手をすると、国の財政を傾けるほどの金額です。

② 店との交渉

見受けするには、ただお金を持っているだけではだめで、遊女が所属する店との交渉が必要でした。「この客なら問題ない」と判断されると、ようやく見受けの話が進みます。

③ 本人の同意

遊女本人の意志も大事。なぜなら、身請けは遊郭の「卒業」にあたり、彼女の人生を左右する決断だったからです。「あの人のためなら……!」と思わせるほどの魅力がないと、そもそもOKが出ないことも。

〇史上最も有名な「見受け事件」たち

・伊達綱宗と二代目高尾太夫(たかおだゆう)

「吉原に最高の美女がいる」と聞きつけた仙台藩主・伊達綱宗。彼は「俺が身請けする!」と、遊女の体重と同じ重さの小判 を差し出しました。しかし、問題が一つ。高尾太夫にはすでに想い人(島田重三郎)がいたのです。
高尾太夫は、「誰かの愛人になるくらいなら……!」と船から身を投げようとします。すると激怒した綱宗は、なんと高尾太夫を船の上で吊るし斬りにしてしまったのです。

・榊原政岑(さかきばらまさみね)と六代目高尾太夫

「恋は盲目」とはよく言ったものですが、こちらの姫路藩主・榊原政岑は、まさにそれを体現した男。六代目高尾太夫を見初め、「どうしても一緒になりたい!」と大枚をはたいて身請けを決行しました。その額、なんと 2,500両(現代換算で約3.7億円)! しかも関連費用を合わせると、総額6,000両(約9億円)!
これが藩の財政を圧迫し、幕府から怒られ、政岑は謹慎処分に。そのうえ姫路藩はお取り潰し(転封)となり、彼の“恋の代償”は藩の存続すら脅かすものとなりました。

とはいえ、この恋は一応成就。政岑と高尾太夫は越後高田(現在の新潟県上越市)に移り住み、彼の死後は彼女も尼となったとか。「身を滅ぼした」と言えばそうですが、「愛を貫いた」とも言えますね。

〇さいごに・見受けは男の本気度が試される一大イベント
最低1,500万円~億単位のお金が必要だった遊女の見受け。そのうえ、遊女のハートも射止めて、お店とも交渉して……と、男気が試される一大イベントです。
あなたが江戸時代にいたとして、すごく好きになった遊女がいたら……。吉原で身請けする覚悟はありますか?

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